天国への道2

🌸4世代10人ドタバタ国際家族が幸せな家庭をめざしてどう生きるか? 日々のエピソードや所感を勝手気ままに書き散らかしていきます🌸

忍耐という苦い種が光り輝く花となる

信頼していた人や仲間から、
だまされ裏切られ捨てられる。                                            


このよう人生の経験は                                                      気が狂うほど憎しみと怒りを炎上させ、                                                   生きる希望も勇気も失なわせます。


ところが・・・
人間とは不思議なものです。


あることをきっかけに、                                         そのような人生のどん底からでも
這い上がって来れるのです。


五十嵐健治氏1877年~1972年)もその一人。                                    100年以上もの歴史をもつ                                            ドライクリーニング「白洋舍」の創始者。                                   日本の実業家です。



彼は、新潟県に生まれ、
両親の離婚に伴い、                                                 五十嵐家の養子になります。


波乱万丈の運命をたどり                                                            だまされて北海道で強制労働を強いられる。                                                    そこから脱走したけれど、生きる希望を失います。


その時、小樽にて                                          キリスト教に出会い洗礼を受けることになります。                                             


その後、東京にて三越に勤めます。                                        


事故で手足を失った盲人が、                                      舌で点字の聖書を読んでいる写真を見て感動し、                                       三越を退社。                                      


1906年に白洋舎を創業。                                       翌年、日本で一番最初にドライクリーニング技術を開発


クリスチャンを冷遇視する明治時代に、                                                彼は洗濯業界で様々な試練に遭遇する。


最も大きな試練は創立から10周年に起こった
「白洋舎転覆事件」だった。                                       (この事件は三浦綾子著『夕あり朝あり』に記されている)

ことの起こりは・・・
自らの処遇に不満を持ったMという人物だった。
Mは毎日遅刻、無断欠勤を繰り返し。                                                      やがて、Mの怠惰の風潮は従業員全体に広がった。


Mは白洋舎の従業員を煽動して、                                         故意にお得意先の洗濯物を焼け焦がし、                                                   納期を遅らせたりして、白洋舎の信用を失わせたのです。                                                                                                          


そして更に・・・
Mらは新たなクリーニング店を開業し、                                                   一斉に退社して顧客名簿や資料までも持ち去ってしまいました


そのため、白洋舎の信用は地に落ち、
休止状態に陥った。


当時社長だった五十嵐さんは、                                                        「奴らが目の前に現れたら、ただではおかぬ。
いや、刺し違えて死んでやる」
                                     


Mに対する憎悪と復讐心で気が狂わんばかりになっていった。


彼自身の心が崩壊寸前となったその時・・・


彼の心を変えたのは彼の妻の一言だった。                                               「あなた、私たちは人には捨てられましたが、
神には捨てられませんね」


聖書を開いた彼は眼前の聖句に号泣した。                                                      
そこには次のように書かれていた・・・                                                               『あなた方を迫害する者を祝福しなさい。
祝福して呪ってはならない。                           
誰に対しても悪を持って悪に報いず、
すべての人に対して善をはかりなさい。』
                                  (ロマ書12:14)


そして、彼はMを呪うのではなく、
裏切って行った人達のために祈ってあげる道を選んだのです。


裏切って行った従業員のために祈りました・・・                                                          「彼らが正しい道に帰れることができますように」


彼は、幸い白洋舎に残った数人の部下と
白洋舎の再建に尽力しました。                                         


その甲斐あって・・・
数年を経ずして白洋舎は回復したばかりか、                                            以前にもまして大発展したのです。




『怨みを捨ててこそ怨みは鎮まる。                         憎しみは憎しみをもってしては永久に消えない、                                       これは永遠の法則である』(釈迦)


『神は耐えられない試練に遭わせることはない、
耐えられるように、逃れる道も備えてくださる』
(コリント10:13)                                  


『試練に打ち勝ってこそ、真なる人間として、                                                 新たに生まれ変わることができます。                                       忍耐と言う苦い種が一つ一つ実を結び、                                                       いつの日か、光り輝く誇りとなるのです』(韓鶴子)                                      



参考:
・フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
・浅川勇男著『いのちの言葉』(Sanday世界日報)