天国への道2

🌸4世代10人ドタバタ国際家族が幸せな家庭をめざしてどう生きるか? 日々のエピソードや所感を勝手気ままに書き散らかしていきます🌸

アメリカ宣教で遭遇した恐怖体験~ブラックアウト(前編)~


『9.11』2001年9月11日の
アメリカ同時多発テロ事件から21年。
あの日の事件は、21年を経ても
記憶の中から強烈によみがえってきます。


その2年後、またテロ事件かと、
アメリカ全土を震撼させた事故がありました。
2003年8月14日午後4時ころ
日本時間では15日早朝に起こった、

「ブラックアウト」
アメリカ史上最大の停電が起きたのです。


************



私はその日 ・・・
ニューヨークのマンハッタンにいました。
UPFの宣教活動中に起きた大惨事「ブラックアウト」の

恐怖体験をしました。



この日、私は10歳年下の日本婦人と
二人でマンハッタンにて
朝10時から午後4時まで、
アメリカの貧しい子供たちのための

ファンドレージング(募金活動)をしていました。


とても暑い日でした。
そろそろハーレム(マンハッタン区)にある
宿泊先の教会に帰ろうと地下鉄の駅に来ると・・・
なんと地下鉄が止まっていました


電車が止まる・・・
こんなことは日本でも人身事故などで時々あることです。


でも、何かおかしな雰囲気です。
どうしたのだろうと辺りを見ると
信号も止まり、 店やオフィスの電気が点いていません。


「あら~~停電だわ!」


電車が止まったなら、
バスで帰ろうとバス停に向かいました。


ところが、バス停には長蛇の列ができていました。
おまけに、なかなかバスが来ません。


バス路線を変えて帰ろうと他のバス停に行きしましたが、
そこも、さらにバス待ちの人でいっぱいでした。


便利な環境に慣れている私には、
この時の深刻さにまだ気付いていませんでした。


何だかみんな不安と焦りでイライラした様子です。


やっと来たバスは超満員で乗れません。
バスを待っていた数人が、バスに駆け寄って行き
ドアを叩いてバスを止めようとしました。
開いているバスの窓から乗り込もうとする人もいました。




信号も止まったので交差点内では車が方向を失い、
数人の勇気ある男性が手信号で車の整理を始めました。


しかし、次第に道路は車でいっぱいになり、
身動きが取れなくなってしまいました。


消防車やパトカーがやって来ても、
その中に閉じ込められてしまいました。



マンハッタンの高層オフィスビル街
こんなに人がいたのかとビックリするほど、
沢山の人々が次々に外に出てきました。


次第に歩くことができないほど人でいっぱいになりました。




<当時の様子:歩く人と車でいっぱいに・・・>


おまけに蒸し風呂の中にでも入ったような暑さです。


お店は次々にシャッターを下ろし閉店ました。


しかし、しばらくして食料品の店は
再びシャッターを開けました。
冷蔵庫や冷凍庫にあった商品などを
店先に出して叩き売りを始めました。


人垣を縫って覗き込んでみると、
水やアイスクリームが積まれていました。


そして、なぜか靴やサンダルにも沢山の人だかりです、
どうやら靴を履き替えて歩いて帰るためのようでした。




電車もバスも駄目、
帰る手段が見つかりません。
宿泊先のハーレムまで歩いたら

夜までには帰れると言われました。


でも、地図もなく帰る道順がわかりません。


「どうやって帰ろう・・・」
「トイレにも行きたい・・・ 」


何とかなるだろうと思っていた私は、
次第に不安になっていきました。


言葉もわからない・・・
丸い地球のど真ん中・・・
針の先にもならない場所で・・・
おまけに大惨事の中でたった一人。


この様なパニックの最中には、
誰も自分のことで精いっぱいだから、
私のような小さな日本人を心配する人はいません。




こういうアクシデントによる
恐怖や不安は海外宣教では付きもの
過去にはいろんな体験してきました。


その度に感じることは・・・
「どんな時でも神様は、私を見捨てない」
「私はいつも神様と道連れ」

そういう安心感がどこか心の片隅にありました。


前後左右がわからなくなった時は、
真上を仰ぐしかありません。
頭上にいる神様に尋ねる方法があります。


道路にドカッと座り込んで ・・・
「落ち着いて落ち着いて、慌てないで!」


すると・・・
「大丈夫・・・、何とかなるよ・・・」
「帰ることを考えるのではなく、留まることを考えよう」
「そうだ!きょうは帰らないで泊まるところを探そう!」


さらに祈っていると・・・


アメリカ男性と結婚し、
34ストリートのニューヨーカーホテルに住む、
日本人女性のYさんを思い出しました。


すでに日が落ちたマンハッタンの街中を
あちこち探し回りながら、
やっと探し当てた「ニューヨーカーホテル」


停電してからすでに3時間が経っていました。


ところが、そのホテルも、
ホテルとは思えない恐ろしい光景になっていたのです。


<ニューヨーカーホテル>



(後編に続きます)