挑戦こそが宝。失敗こそ財産~切腹最中~
「切腹最中」
こんな恐ろしい名前の最中をご存じでしょうか。
「切腹」って、あの切腹です。
東京の新橋駅から歩いて10分。
主人の会社の近くにある老舗和菓子店「新正堂」
「新正堂」は大正元年創業。
今年で創業112年の老舗和菓子店です。
忠臣蔵の起源と言われる赤穂藩主浅野内匠頭が切腹した
田村邸跡に店を構えています。
忠臣蔵をモチーフにしたこの「切腹最中」は、
お腹からあんこが飛び出しています。
1日7,000個も売れる人気商品だそうです。
主人の会社ではこのお菓子をお詫びの品として
取引先やお世話になった方にジョークで、
おみやげとして差し上げることがあります。
切腹とは昔の武士の罪の償い方なので、
お菓子の意味を伝えないと「何なのこのお菓子?」なんて言われそうです。
ですから・・・
特別な方にはこのお菓子を差し上げるのは躊躇します。
ところが、なんと!
2024年1月から最中に巻いている「切腹」の帯を、
「感謝」の帯に変えてくださるとの朗報。
感謝の気持ちを込めて差し上げるにはベストのお菓子。
早速、お正月の1月5日、お店に行ってみました。
店内にはお客さんが4人いました。
ありました~~!
感謝最中(感謝切腹最中)
<新年のおまけ?のマグネット>
お店を出る時『江戸楽』という雑誌が目に留まりました。
そこには新正堂の3代目社長さん渡邉仁久さんの手記
「挑戦こそが宝。失敗こそ財産」が載っていました。
抜粋してみます。
3代目の渡邉社長さんは、23歳で婿養子で家業を継いだそうです。
服飾デザインの道から和菓子の世界に飛び込んだので、
始めは右も左もわからず、製菓学校で基礎から学んだそうです。
120もの新商品を開発しましたが、
どれもヒットにはつながらなかったそうです。
「やりたいこと思ったことはためらわずにやれ。
失敗しても、また挑戦すれば良い」
と先代さん達が支えてくださったおかげで
「切腹最中」が生まれたそうです。
「縁起を重んじる和菓子に『切腹』なんて名前はもってのほかだ、売れるわけがない」
と、119人中118人が大反対したそうです。
オフィス街のイメージが強い東京新橋に、
忠臣蔵の浅野内匠頭切腹の地と言う歴史を
後世に伝えたいと言う強い信念で生み出された『切腹最中』
2年半説得して強引に発売にこぎつけたそうです。
切腹最中が大ヒット!
歴史ファンやビジネスマン、外国人観光客、SNSを見た若者が来店。
切腹の地で赤穂浪士のイラストと家紋をパッケージに
忠臣蔵の四十七士それぞれを武者絵で描いた「義士ようかん」も有名です。
4代目の渡邉仁司さんのモットーは・・・
「変化を恐れず何事にも『挑戦』し、『美味しい』を追求してゆく事」