天国への道2

🌸4世代10人ドタバタ国際家族が幸せな家庭をめざしてどう生きるか? 日々のエピソードや所感を勝手気ままに書き散らかしていきます🌸

お母さん!僕の声を聞いて・・・。


かれこれ20年くらい前になるでしょうか。
私は「青少年問題を〇〇〇会」のお手伝いで
東京の渋谷と新宿の繁華街にて、
夜、たむろしている子供たちに
アンケートをしたことがありました。


「夜遅くまで遊んでいて、お母さんは心配しないの?」


その質問の答えに大変ショックを受けました。


「心配しないよ。お母さんだって、
どこかに遊びに行って帰ってこないんだから・・・」



親は心配しない・・・
家族も無関心・・・
無関心と言う虐待・・・


子供が非行だ、不良だのと、
子供ばかりを問題視するんじゃなくて
親や家庭、大人が問題だと感じたのです。



しかし、最近はどうでしょう・・・
20年前と変わらない子供たちの事件や事故の原因が
結局は親や家庭、大人たちであることを教えています。


自宅や車中、幼稚園バスの中に置き去りにされて
小さな命が消えていきました。

20年前にはこのような事故はなかったように思います。


子供の命が軽んじられているのでしょうか・・・。
家庭が喪失しつつあるのでしょうか・・・



「家庭は愛の学校。
人格形成は家庭で育まれる」

人格は、親子、夫婦、兄弟姉妹の関係を通して
家庭で育まれると言うそうです。



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母親から虐待を受けている少年が
悲痛な思いを綴った詩『僕の声を聞いて』
子守歌の伝承・普及に取り組む
日本子守歌協会理事長・西舘好子さん
『致知別冊「母」』に紹介していました。


『僕の声を聞いて』

                                                                おかあさん 

ぶってもけってもかまわないから 

僕を嫌いにならないで。                                                                       おかあさん 

おねがいだから僕の目をちゃんと見て。                                                                  おかあさん 

おまえを生まなければよかったなんていわないで 

僕は今ちゃんと生きているんだから。

                                                                   おかあさん 

優しくなくてもいいから、僕に触って。                                                                 おかあさん 

赤ちゃんの時抱いてくれたように抱いて。                                                              おかあさん 

僕の話にうなずいてくれないかなあ。

つらい、悲しい、もうダメ、

お母さんの言葉ってそれしかないの。

                                                    赤い爪魔女みたい、ゴム手袋のお台所、

お部屋のあちこちにある化粧品、

僕の家のお母さんのにおい、

僕の入れない世界で満ちている。

おかあさん お母さんの匂いが欲しい、

優しい懐かしいにおいが。


おかあさん 

お願いだから手をつなごう、

僕より先に歩いて行かないで。

おかあさん 

お願いだから一緒に歌おう、

カラオケ屋じゃないよお家でだよ。

おかあさん 500円玉おいてくれるより、

おにぎり一個のほうがうれしいのに。


おかあさん 

笑わなくなったね、

僕一日何度おかあさんが笑うか

ノートにつけているの


🌸🌸🌸🌸🌸🌸🌸


<西舘好子さんのコメント>


母親から虐待を受けている少年の

悲痛な思いを綴った文章です。


私が小さい頃にはなかったことですけど、

親が我が子に暴力を振るい、

時に死に至らしめてしまう痛ましい事件が、

近頃は日常茶飯事になりました。


親の愛情というのは、

子どもにとって絶対的なものでしょう。

それがいま、根底から揺らぎ始めています。


いまの親というのは、家庭で父親はどうあるべきか、

母親の役割は何かということが分からなくなっている。

父、母という言葉の重みがなくなって、

家庭が喪失してしまっているんですね。


特に、子育てに直接関わる母親の力が

家庭から失われてしまったことが、

こうした事件が頻発する根源じゃないかと

思っています。


(中略)


子育てって上の代から伝承されていくものだし、

家庭は本来人間の基本を養う

大切な教育の場だったと思うんです。


でも残念ながら、いまはそれを担える家庭が

少なくなっているんじゃないでしょうか。



参考:月刊『致知』2020年5月号の特集記事『致知別冊「母」』