泣きたいときには泣けばいい~美しい老い~
🎵ぺったんこ それ ぺったんこ
おもちをつきましょ ぺったんこ
ぺったんこ それ ぺったんこ
ぺったんぺったん ぺったんこ🎵
介護施設の庭に、童謡の ”もちつき” の歌が聞こえます。
93歳の母も、車いすに座って身振り手振りで皆さんと一緒に歌っています。
きょうは、母が入所している介護施設の「お餅つき」
招待された2名のお相撲さんと幼稚園児がお餅をついてくださいました。
餅つきのリズムに合わせ・・・
「よいしょ~」「よいしょ~」と
全体が一つになって掛け声をかけます。
お相撲さん二人の息の合った餅突きと漫才のような会話に大爆笑。
<お相撲さんと園児の取り組み>
施設のスタッフさんが私に言いました。
「お母様も、よくお餅をついたとおっしゃっていましたよ~」
確かにそうです。
信州で暮らした昔のことは忘れていない母。
両親は毎年暮れになると、夫婦で臼と杵で餅を突いて、
鏡餅や冬の間食べるのし餅の準備をしていました。
子供の私たちは、その様子を傍らで眺めていたものです。
市販のお餅より、臼と杵で作ったお餅は、
滑らかで舌触りがよくお箸で長く伸びました。
ここ介護施設の餅つきは、コロナの為に数年は中止していました。
今年再開しましたが・・・
ちょっと違った風景を感じました。
以前は突きたてのお餅を ”きな粉餅・あんころ餅” にして
お相撲さんや幼稚園児と家族の皆さんで一緒にいただきました。
母は、お餅をお相撲さんの口に運んで食べさせてあげていました。
結局、自分は一口もお餅を食べずに・・・
昨日の事のようですが、もう6年前になりました。(下の写真)
しかし・・・
今回、施設では出来上がったお餅を食べることはしませんでした。
普通食も難しくなり誤嚥を心配した施設の配慮です。
コロナ禍の前・・・
介護施設のグループホームやデイサービスの皆様とは
月一回のフラワーアレンジメントでお会いしていました。
今年10月に面会も解除され、
皆様としばらくぶりにお会いしました。
皆さん何だかちょっと元気がない。
月日の経過は高齢化をさらに進め、
要介護度も上がり車いすの方も増えました。
亡くなられた方も・・・
ちょっと悲しいです。
私を見て嬉しそうに振舞う認知症の母も
やがて私の顔も忘れてしまうでしょう。
これが老いと言うもの・・・
美しい老いなんです・・・
悲しいことではないんです・・・
そう言ったら・・・
「泣きたいときには泣けばいい」
誰かが耳元でささやきました。