引き裂かれた悲運の愛~映画『ひまわり』~
ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」と、
映画「ひまわり」は、ウクライナを舞台に描かれました。
これらは、
今、戦場と化したウクライナの現実とダブって
心がずっしり重くなります。
今のウクライナの悲惨な状況は、
映画のワンシーンではないかと
錯覚してしまうほどです。
平和を叫びながら、
まさかこんな戦争が勃発するなんて
誰も考えなかったでしょう。
ポーランド、ハンガリーなど隣国に
避難して行くたくさんの人々や、
引き裂かれて戦場に残した夫や息子、身内を案じる人たち、
そして、避難できずにウクライナに留まっている人達からは
「過酷」「憔悴」「悲憤」「恐怖」「絶望」「不安」「涙」
しか見えません。
今、ウクライナに起こっていることは
小説や映画の架空の話ではなく、
恐ろしい信じがたい現実なのです。
<ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」>
原作者は、ウクライナ南部出身の
ユダヤ人作家ショレム・アレイヘム。
舞台は20世紀初めの帝政ロシア下にあった
ウクライナの小さな村。
ユダヤ人の牛乳屋テヴィエと妻、5人の娘たち家族が主人公。
ウクライナに暮らすテヴィエたちユダヤ人は、
ロシア人から迫害を受けながらも、
信仰を心のよりどころに穏やかに
平凡な生活していました。
しかし、ロシア当局より生まれ育った地から
退去命令を受けます。
それに抵抗することは死につながるのです。
一家は仲間たちとの別れを惜しみ、
わずかな荷物を荷車に積んで
ウクライナから米国に移住して行きます。
ラストシーンでは、過酷な運命にも負けず、
新天地に向けて踏み出す力強さを感じます。
<映画『ひまわり』>
日本で1970年に公開された、映画『ひまわり』
ウクライナを舞台にした映画です。
主演はソフィア・ローレンと
マルチェロ・マストロヤンニ。
第2次世界大戦で行方不明となった夫の
生存を信じるイタリア人の妻が、
夫を捜して激戦の地ウクライナを訪れます。
やっと捜し出した夫には、
ウクライナの女性と子供がいました。
第二次世界大戦時に、
引き裂かれた夫婦の悲運の愛を描いた名作です。
広大な美しいひまわり畑のシーンは
ウクライナで撮影されたそうです。
ウクライナの国花ひまわりの畑が
地平線までいっぱいに広がるラストシーンが
印象的です。↓↓
映画の中で地元の女性が美しいひまわり畑を
前に語る言葉が衝撃的です。
「このひまわり畑の下には
多くの兵士や捕虜たちの死体が埋まっているの」
また、妻を捜してやってきた夫が、
やっと再会した妻に語った言葉は、
「戦争はひどいものだ・・・。残酷だ・・・」
現在、U-NEXTにて配信中です。
参考抜粋:
・日刊スポーツ