天国への道2

🌸4世代10人ドタバタ国際家族が幸せな家庭をめざしてどう生きるか? 日々のエピソードや所感を勝手気ままに書き散らかしていきます🌸

親子の絆ってなに? 家族ってなに?



10月4日は私たちにとって「解放の日」
コロナに感染して病院に入院していた母が
10日ぶりに病院から解放され、
無事に退院しました。



9月24日夜・・・
介護施設グループホームに入所していた、
92歳の母が発熱、コロナ陽性と判明
施設のスタッフさん2人と入所者さん8名がクラスターになったのです。



コロナ禍2年半これまでに、
一人もコロナ感染者を出さなかった優秀な介護施設が、
ここにきて初めてクラスター発生。




25日・・・
母は、施設から車で40分離れた
小さな病院に搬送されました。


母を追いかけるようにして病院に駆け付けましたが、
もちろん母には会えず、入院手続きだけをしました。



ドクターは・・・
入院中は面会はできないこと。
コロナ患者は10日間の入院が必要であること。


高齢者は急変したり、合併症も出ることもある、
重症化し急変した時は、家族と施設に連絡をすると言いました。



そして、主人と私は、急変時の心肺蘇生の説明を受けました。



ドクターは「心肺蘇生処置を希望しますか?」と、
娘の私に聞きました。
私は「NO」と答え同意書にサインをしました。



92歳まで頑張って来た最愛の母に、
これ以上頑張れと言いたくない・・・
これ以上の苦痛も与えたくない・・・
既に母の命は、神様に預けているのですから・・・。



母の入院中、
病院からの電話は一本もありませんでした。


入院8日目に、こちらから電話して、
母の様子を聞いて、ビックリしました。



実は一時、重症化したとのこと、
しかし、強靭な92歳は持ちこたえたのです。
その後は落ち着いているので、
退院可能だと言いました。



退院の日時を施設とも相談し
自宅の車でお迎えに行くことにしました。




ところが心配な事が一つ生じたのです。
入院中寝たきりの母は、自力で歩けないらしいとのこと。


「えっ? 歩けなくて退院できるんですか?」


そこで、病院と施設のスタッフさんが
車の乗降を介助してくれることになりました。




10月4日・・・
病院の待合室で私たちは、車椅子の母を待ちました。



母は私たちの顔を発見すると・・・
直ぐに手を振りました



「顔を覚えてくれてた!」
駆け寄った私たちに母は笑顔を見せましたが、
いったい誰なのかわりませんでした。


3年ぶりに握った母の手は冷たく、
青白い小さな顔は病人そのものです。





車の中では、久しぶりに会った私の妹が
母に盛んに話しかけていました。


「お母さん、良かったね!」と妹が言うと、


「良かったよ~!
きょうから美味しいものが食べられる!」


母は、こんな言葉を何度も言って、
私たちを笑わせました。



コロナ禍の2年半、
施設ではイベントも中止、
散歩にも出られず、面会も制限付き、
外部の人にはお会いしていませんでした。


親子そろって車に乗ることも、
おそらく2、3年ぶり。


秋を感じる風の中を走る車、
久しぶりに外気に触れた母は、
車の窓から見える風景をジッと見ていました。



施設に直帰すると・・・
3人のスタッフさんが、
玄関でお迎えしてくれました。


「お帰り~~」
○○さん!お家に帰ってきましたよ~~」
大きな声でお出迎えされて、母は嬉しそうです。


見慣れたスタッフさんに出会って、
本当に嬉しそうでした。
安心したようでした。



最後に私が・・・
「じゃ~ね。お母さんまた来るね」


しかし・・・
母は私の顔をじっと見たまま、
何も言いませんでした。

私たちは、車椅子の母とスタッフを見送りました。



親子の絆ってなんでしょう・・・
家族ってなんでしょう・・・



以前、介護施設で亡くなった友人の葬儀に参列した時、
涙をこぼしていた人たちが斎場の隅にいました。
涙していたのは、友人の家族ではなく、
お世話していた施設のスタッフさん達でした。





4世代10人、共に暮らした家族はファーストファミリー。
介護施設グループホームはセカンドファミリー。



今の母にとって、
一番の家族は、私たちではなく、
施設のスタッフさんや一緒に暮らす入所者さん達なのです。



それでいいんです。
それは凄く感謝なんです



安心して笑顔で一緒に暮らせる人達・・・
喜怒哀楽を共にしながら、
しっかりと絆で結ばれた人達・・・
それが「家族」なのですね。




母は今、たくさんの「家族」に囲まれて幸せなのです。


日ごろ、ご苦労してくださる施設のスタッフさんたちに
心から感謝です。
ありがとうございます。